日記
注文していたクラゲが届いた。正確にはクラゲの指輪だ。前々から気になっていつつも手を出すのをためらっていたものだが、新しい仕事の初任給が入ったときについに思い切った。左手の中指がふっと目に入るたびに頭の中で《9月の海はクラゲの海》が流れる。
金曜日の落語会は最高だった。が、ミスというには余りある失態を犯し、意気消沈して飲みに行き泥酔。店のトイレの中で、あわや救急車が必要か、というレベルで意識を遠のかせ嘔吐を繰り返すも、Hさんの的確かつ紳士的な介護のおかげでなんとか終電で帰宅することができた。Hさんは送り狼野郎と違ってスパークリング・ジェントルマンなのだ。しばらく大人しくしようと誓う(いろんな意味で)。
もうねー、いくら悔やんでも悔やみきれないことっていうのをすでに15万個くらい積み上げてきたけれど、あといくつ重ねたらそういう後悔をしなくて済むようになるものか。はなはだ不安です。「傷の数を数えたら10万億〜♪」とライダーズが明るく歌うように、あと億単位はどうしようもないことばかりやらかしてしまうのかもしれない。でも「快楽の邪魔する奴と」戦いながら、「カルマにまみれて」祝福のうたを歌うしかないのでしょう。
日記
はなッからかないそうもない片想いをなんとか実らせようと奮闘中。少し痩せたけど、酒量も増えた。久しぶりにカルーアミルクを作ったら、1:1じゃあアルコール分が多すぎるということに気づかずそのまま飲んでしまう。飲んでから煩悩を昇華するためにまた走ってきた。あー、一晩限りでもいいから愛人になりたい! そして、とげとげしい物言いになって、自分のもやもやを周囲に巻き散らかすのは絶対にやめなければ。
今日は上司と文科省へ出向いた。先生との打ち合わせ後、ちびっこ向けの展示室で握力を測りあったりして遊ぶ。幻灯機の説明パネルが良かった。取引先と電話で打ち合わせなければならず、2時間ほど残業。靴やら化粧品を買って帰る。明後日渡す予定の上司の誕生日プレゼントは、未だに迷って買えず仕舞いだ。
日記
日曜日は前々から同期みんなでS宅に集まって餃子を作って食べる会を開催しようということになってはいたが、《ヴェニスの商人》を演っているシアターグリーン前で張って文左衛門師匠の出待ちをし、嬌声と共に電話番号を書いた下着を師匠に向かって放る、というファンとしてのお約束を実行するためにすっぽかすことを思いつく。が、思いついただけで大人しく王子神谷に向かい、楽しく焼餃子と水餃子を作って食べた。甘口の白ワインとアイリッシュウィスキーもご馳走になる。同期と共に「どうすれば文左衛門師匠の愛人になれるか」について真剣に討議し、先の「ロックバンドのグルーピー風出待ち」案のほか、「弟子入り」案と「銀座のクラブに入店し(面接に受かるという高いハードルはとりあえずさておき)ホステスさんになってお客として文左衛門師匠がいらっしゃるのを待つ」案を検討するも、「せっかく念願の仕事を始めたばかりなのにどうしてそういうことを言うのか」と同期全員から総スカンをくらった。良い同期である。おまけにHさんから「銀座のクラブに入り浸るには談志師匠クラスにならないと無理ではないか」となかなか説得力のある指摘を頂戴した。しかしながら、文左衛門師匠クラスのセックスアピールの持ち主ともなると、ご自宅の片隅に銀座のホステスさんから投げつけられた電話番号の書かれた下着の山が築かれていてもなんら違和感はない。
とりあえず、独演会に足繁く通うことにする。
演劇らくご
志らく師匠素晴らしかった。の一言に尽きる。パンフの裏に書いていただいたサインは宝物にしよう。師匠の《火炎太鼓》はもう満点しかつけられないし、あんなにエンターテイメント性の高いお芝居をプロデュースできるなんて舌を巻くばかりだ。演出・脚本もキャスティングもザゼンを使った音響もぜんぶ良かった。個人的には、橘家文左衛門師匠が両手をタオルで拘束されて口にタオルを詰め込まれて跪かされてナイフでシャツを切り裂かれるというクライマックスにむらむらしてしまったので、ごめんなさいごめんなさいと両師匠にひたすら心の中で謝る。
文左衛門師匠の艶姿のインパクトが強すぎて歪んだ感想しか出てこないけれど、そこを抜きにしても良い落語とお芝居だった。主演女優さんとミッキー・カーチスの存在感が凄かったし。
文左衛門師匠に邪眼を遣ってしまった罪悪感から、文左衛門師匠独演会チケットの購入に踏み切った。今月は落語貧乏である。